May 23, 2014

ブルガリアでベニバナ追跡システムを構築

プロマーのコンサルタントは、クライアントがビジネス上の問題を解決するためにしばしば現場(文字通り)に出かけます。シニアコンサルタントのティナ・ペネヴァがブルガリアでの原料供給問題を解決した経験を語ります。

ベニバナ (Carthamus tinctorius) はアザミに似た1年生の油糧種子作物です。その種子は油分に富み、花は黄色の染料の製造に用いられます。主要作物ではなく、世界での生産は年間50万トンです。ベニバナの生産には60か国以上が関わっており、インド、米国、メキシコや中国、カザフスタン、エチオピアなどが主です。

より伝統的な油や鳥の飼料としての最終用途に加えて、ブルガリアのものを含むベニバナ種子は過去10年間で食品を補完するものとしての使用が増加しています。

概してブルガリアの供給は世界のベニバナ生産のほんの一部分です。 ブルガリアのベニバナの大部分は主に鳥の飼料として購入されています。しかしながら  高品質のベニバナ種子は食用および食品の補完製品として使用されます。食用としてのベニバナ種子を生産するためには、人に有害なアフラトキシンかびの発生を抑えるために非常に手の込んだ収穫後の作業が必要となります。

プロマーの事例においては、ベニバナの輸出者と輸入者はブルガリアからベニバナを調達するまさに初期段階から数々の問題に直面していました。ブルガリア側は日本のバイヤーが示したベニバナの収穫、保管および輸送に関する厳密な要求を理解できませんでした。一方日本のバイヤーは遠方である事や人手不足によりブルガリアでの進捗を直接管理する事ができませんでした。

これらの大きなコミュニケーション問題と品質管理の責任者の不在によりプロジェクトが頓挫する危険性がありました。

プロマー・コンサルティングが介入した際、まず初めに“両者の理解が同じ”すなわち日本のバイヤーの要求が何であるか、そしてその要求は達成可能であるのかという点に関して情報不足や不明な点がないことを確認しました。過程の中で最も重要な課題は、収穫したベニバナから食用に適さなくなるアフラトキシンかびを発生させないことでした。

何度かのミーティングや検討の後、輸入者、輸出者そしてプロマーのコンサルタントを含むプロジェクトチームは輸出前の収穫前・収穫時・収穫後のベニバナ種子の取り扱いを監視する追跡システムの概要を描きました。追跡システムはそれぞれの段階での明確な作業を盛り込み、将来の分析のために慎重に記録されることとなりました。

収穫前: すべてを2度チェックする

農薬の使用、土壌処理、収穫するコンバインと輸送トラックの状況、天候状況、その他に関してのあらゆる点がブルガリアの輸出者によって記入される詳細なチェックリストを用意しました。プロマーのコンサルタントはこの過程を容易にし、業務が正しく理解され時期を逃さず完了されることを確認しました。

収穫時: 過程の全ての詳細を記録する

農業においてよくあることですが、正確な収穫の時期を予見するのは困難な事です。 これは海外のベニバナのバイヤーが直面する問題の1つでした;ベニバナの収穫を直接監視するために 直前の知らせによりブルガリアに飛ぶのは不可能でした。かわりにブルガリアを拠点にするプロマーのコンサルタントが収穫前に1週間代わりを務め、収穫を監視するために一番良い、すなわち最も乾燥した時期に呼ばれるのを待ちました。

収穫の間、気温と湿度の経過を追う事をふくめ過程の全ての段階を記録しました。この情報は収穫時のアフラトキシンかびの発生のあらゆる可能性を追跡するのに必要でした。

収穫後: 記録と分析

収穫後の過程でのプロマーの関わりには、洗浄設備でのベニバナの洗浄と乾燥および種子を袋に詰め倉庫に収める過程を記録し監視することがあります。この過程の中でプロマーのコンサルタントは出荷前に分析するため送られる種子のサンプルを取得しました。

売り手、買い手そしてプロマーのコンサルタントの間での共同の取り組みは多くの段階で効率的に成し遂げられました。言葉とビジネスカルチャーのギャップがなくなったからはコミュニケーションはスムーズでした。すべての関係者はバイヤーの要求をより理解し、それゆえ厳密に従い、その結果ブルガリアのベニバナ種子の収穫が成功裡に終わりました。

プロマーは企業、産業組織そして農家が供給問題を解決するための数多くのプロジェクトを成し遂げています。さらにお知りになりたいかたはお問合せ.