April 4, 2011

ブラジル、マトグロッソ州の大豆生産

ブラジルのマトグロッソ州はブラジル最大の大豆生産地で、生産量は1,880万トン、ブラジル全体の約3割を占め、1農場あたりの平均耕作面積は1,000ヘクタールを上回っています。プロマーはマトグロッソ州の大豆生産の実態調査のために、大豆生産者協会Aprosojaや、農協、生産者のインタビューを行いました。

ブラジルの大豆生産を支えているマトグロッソ州が現在直面している課題は、2000/01年から出てきたアジア型の大豆さび病です。これにより、単収の伸びがストップしてしまいました。また、それ以上に大きい問題は物流コストが非常に高いことです。マトグロッソは内陸部に位置しているために、ブラジルの中でも特に物流コストが高くなっています。ブラジルは鉄道網や水路網の整備が遅れており、多くがトラック輸送に頼らざるをえません。右の写真は道路の様子です。まだ収穫がはじまったばかりの頃ですが、二車線しかなく路面の悪い道路は既に混雑しはじめています。トラックにバラ積みされているため、トラックからこぼれ落ちる大豆もまた輸送コストに跳ね返っています。

流通面では新しい動きが生まれています。今のところマトグロッソの穀物流通の大部分はカーギル、ADM、ブンゲ等の多国籍穀物メジャーと、地元資本のAmaggiがほとんどを支配していますが、生産者は新しく農協を設立し、交渉力を強めています。ブラジルから大豆を多く輸入している中国もまた、農地に投資するだけでなく、生産者との直接の流通パイプを持つことによって、安定的な供給を確保するべく動いています。