November 25, 2011

中国のししゃも事情

プロマーは中国のししゃも加工・消費について調査するため、中国東北部遼東半島に位置する大連を中心に現地調査を行いました。大連は野菜や果物等の農業や漁業、水産加工業が盛んな中国第3の港湾都市で、日本向け水産加工拠点の一つにもなっています。都心部には高層ビルやショッピングモールが立ち並び、海に近い景勝地も多く、ビジネスや観光の拠点としても知られています。

中国では魚は一般的に高級な食材として知られ、高所得者層の増加を背景に水産物の消費も伸びています。ししゃもはこれまで主に日本向け加工のために輸入されてきており、中国国内での消費は日本食レストランが中心でしたが、大連では今年から大手外資系スーパーでししゃもの取り扱い始めており、今後比較的安価な水産物として消費が伸びていくことが期待されています。

一方、ししゃもは中国一般の消費者にとってはまだまだ馴染みの薄い商品で、聞いたことも食べたこともないという人が大半です。ししゃもが一般に普及しにくい背景の一つとして、中国の一般家庭には日本の家庭では一般的なグリルがないということが挙げられます。今後消費を増やしていくためには、フライにするなど、家庭での食べ方を宣伝していくことが必要だと業界関係者は話しています。ちなみに中国では子持ちししゃもは多春魚(Douchun yu)、オスは公魚(Gong yu)と呼ばれ、日本と同様子持ちししゃもが人気です。
写真 日本食レストランのビュッフェ