August 15, 2011

フランスの穀物生産と干ばつの影響

プロマーはEU最大の穀物生産国であるフランスで、小麦・トウモロコシの生産に係る視察調査を行いました。フランスと言えばチーズやワインが有名ですが、毎年約3,500万トンの小麦、1,000-1,500万トンのトウモロコシ、約1、000万トンの大麦などを生産する一大穀物生産国です。今年の春は1976年以来と言われる記録的な干ばつに見舞われ、穀物生産(特に小麦)や畜産業への影響が心配されていましたが、6~7月にかけての降雨により生育環境はある程度改善されました。
フランスの小麦は毎年7~8月に収穫期を迎えます。今年の7月は春の干ばつから一転して例年以上の雨に見舞われ、収穫作業が一時中断するなどの影響が出ていました。収穫期の雨はカビの発生などにより品質の低下を招く恐れがありますが、品質は概ね良好と見られています。ただ、小麦の生産量は前年比6-10%減程度になると見込まれており、作付面積が前年度から増加していることを考えると、干ばつの影響は小さくはないと言えます。一方、秋に収穫を迎えるトウモロコシについては雨の恩恵を受け、作柄は良好です。
フランスでは伝統的に農業協同組合が大きな役割を果たしています。農協が穀物流通・販売の70%を握り、農産品の輸出にも積極的に取り組んでいます。今回調査で訪れたフランス南西部の都市Pauの周辺は主要なトウモロコシ生産地ですが、この地域の代表的な農協Euralisは年間80万トンのトウモロコシを取扱うだけでなく、有名なフォアグラ生産者でもあり、中国等の新興国にも積極的に進出しています。

写真:収穫が中断し、雑草も生えている