July 30, 2013

インドはコーヒーの国になるのか?

インドは伝統的に紅茶の国ですが、成長を続けるミドルクラスや若者達によってコーヒーの消費の増加は紅茶の増加をしのぎつつあります。紅茶は90%のインドの家庭で嗜まれており、どこでも高品質の紅茶がわずか2~3ルピーで手に入るので紅茶の需要は依然高いと言えます。しかしながらモダンなコーヒーバーやカフェがたまり場として人気が高まっていることにより、コーヒーは若者や台頭してきているミドルクラスの間に定着しつつあります。コーヒーブームは全インドに広がり、コーヒーの消費は急激な成長をみせ、紅茶の消費の増加が年間2%に過ぎないのに対しコーヒーは5%-6% に上っています。コーヒーと紅茶の消費の成長率はこのペースを保ち続けるという展望が見込まれます。

10年前にはこの国のコーヒーを飲む文化は、南インドにおいて飲まれていた甘くて泡立っているフィルターで入れたコーヒーに大きく集約することができました。しかし今では新しく現れてきている若いミドルクラスの人達がカフェで友達や同僚と語らう事を好むようになりカプチーノやカフェラテに親しむようになったので西洋式のカフェバーがインド中のいたるところに出現しています。Barista Coffeeがエスプレッソバーやカフェのインドでのパイオニアと考えられていて国中に1950のお店があります。2番目に大きいのはCoffee Café Dayでコーヒーバーのチェーン店舗がインドの28州に1438店あります。スターバックスはTata Global Beveragesとのジョイントベンチャーを通じてすでに15店舗(ムンバイに8店、デリーに7店)があります。

インドの主な6つの州でのすべての所得水準における購買層を広範囲に渡って実地調査した結果プロマーは、インドの成長しつつあるコーヒー文化はRTD(すぐに飲める)コーヒー飲料への道を開き、その過程はソフトドリンク産業の展望をも変えてしまうのではないかと考えています。ネスカフェアイスコーヒーはチョコレートモカ風味のコーヒー飲料で、この国で首位にあるRTDコーヒーブランドです。このカテゴリーは現在RTD紅茶とコーヒーを一緒のグループにしてもまだインドの90億リットルのソフトドリンクマーケットの0.1%にしか過ぎませんが、次の5年間で最も成長の速いカテゴリーとなることが期待されています。RTD 紅茶とコーヒー飲料は絶対的な量に関していえば現在ほんの1600万リットルであるものが2016年には4780万リットルの記録を作ると見られています。その期間カテゴリーの成長がRTD紅茶とコーヒー飲料をマーケットで現在の              6位から水、2種の炭酸飲料そしてジュースに次ぎ5位に押し上げるのではないかと考えられます。RTDコーヒーカテゴリーの目新しさを考え、インドの消費者の間でヒットする商品を作るためメーカーは試行錯誤しています。たとえばインドのソフトドリンク会社Parle Agroは新しく販売を始めたCafé Cubaと呼ばれるカフェイン抜きのコーヒー風味の炭酸飲料でRTDコーヒーマーケットに進出しました。コーラ、ペプシ、ユニリーバそしてネッスルなどの他の会社もまたRTDコーヒー商品の新しい商品を考案しているとみられます。

インドはまだコーヒーの国にはなりそうにはないという結論にはなりますが、カフェとそこでのおいしい飲み物、そして種々の異なる形でのインスタントとRTDコーヒーは増えており、インドの成長を続けるミドルクラスの消費者セグメントで人気が高まっています。インドのコーヒー文化の行きつく先は確実に興味のあるものとなるでしょう。

写真:Parle AgroのCafé Cuba