April 27, 2010

豪州のピンクレディー輸出戦略に学ぶ(りんご産業へのクラブ制導入に関する調査研究)

日本産農林水産物の輸出促進にあたっては、価格で勝負できるような産品が限られていることから「高付加価値化」が重要になっており、様々な輸出促進施策を通じて、いわゆる日本産農林水産物の「ブランド化」が図られています。その参考とするため、農林水産省は海外におけるブランド化、中でも特に高品質・高付加価値を特徴とした輸出促進プログラムに注目し、豪州発の高級りんごブランドであるピンクレディーを比較検討し、我が国産品のブランド化の参考とするため、「平成20年度 農林水産貿易円滑化推進事業 輸出戦略調査(ピンクレディー)」(以下では、「輸出戦略調査」)を実施し、プロマージャパンが受託して調査を実施しました。

ピンクレディーのクラブ制システム弊社では、「輸出戦略調査」を受けて、さらに今後はピンクレディーのクラブ制のシステムを国内、特に輸出促進に応用するための具体的なステップに進むことが重要であると考え、我が国果実産地に対して海外の先進事例としてクラブ制の考え方の普及を行うとともに、日本における具体的な応用の可能性や是非を判断し、今後のりんごや果実の輸出促進や発展に資することを目的とし、本事業を実施しました。

本報告書では、まず1章において、農産物における知的財産と、日本のりんご及び果実の輸出に関するクラブ制導入の必要性について、農産物における知的財産戦略やりんご産業、日本の果実輸出等に言及しながら検討しています。第2章において、ピンクレディー以外の欧米におけるクラブ制のりんごについて、主なブランドと国別の取り組み方についてとりまとめました。第3章において、ピンクレディーにこれらの新しい研究結果を反映し、また日本の契約栽培の事例を挙げながら、クラブ制とは何かという課題に迫りました。第4章において、日本にクラブ制を取り入れる際の一般的な課題を示し、第5章において大紅栄に取り入れる際の考え方を示しました。最後に第6章において結語をとりまとめました。

本報告書の前に、できれば「輸出戦略調査」に先に目を通され、ピンクレディーの事例を先に見ておいていただくと、理解しやすいと存じ、入手先のホームページも以下に挙げました。

なお、本事業の実施に当たっては、弘前大学 黄孝春教授にメンバーとして参画いただきました。事業の実施にあたっては、専門家による事業の実施に係る検討委員会を2度開催したほか、関係する様々な方々にインタビューに応じていただき、さらに青森県でりんごの業界に係る方々約60名に参加いただき、クラブ制に係る研究会を実施しました。

報告書ダウンロード

豪州のピンクレディー輸出戦略に学ぶ 2010年3月

ピンクレディー(豪州発りんごブランド) 2009年3月