April 5, 2011

モザンビークとタンザニアにおけるキャッサバの 生産・加工・流通・消費の現状と政策の課題

キャッサバは日本ではなじみの薄い作物ですが、世界の生産量の半分以上がアフリカで生産されており、アフリカでは小麦、トウモロコシに次いで重要なでんぷん源です。しかし、これまで貧者の食べ物として国際的な研究開発が遅れ、「無視された食べ物」と称されてきました。近年、国際熱帯農業研究所(IITA)などが中心となりキャッサバの研究開発、普及が進められてきましたが、その主な対象はナイジェリアやガーナといった西アフリカ諸国であり、東アフリカ諸国のキャッサバ生産に対する研究、支援はまだ十分に進んでいるとは言えません。

そこで、モザンビークとタンザニアにおいてキャッサバの生産から加工、消費に至るまでを包括的に調査し、両国の現状と課題をまとめました。キャッサバは単に農村部における自給作物として位置づけられるのか、都市部における加工品の消費や飼料用、工業原料としての使用はどの程度まで進んでいるのかを明らかにし、貧困削減や生産者の生計向上へ資するためにどのような援助策が考えられるのかをまとめました。

モザンビークとタンザニアにおけるキャッサバの生産・加工・流通・消費の現状と政策の課題