January 10, 2013

日本の果物市場における消費者の動向

プロマーは、日本の果物消費に大きく影響を及ぼす要因である、旬、食べ易さ、消費者の年齢層に注目しました。

旬は日本の消費者にとって最も大切で、かつ日本の果物販売の一般的な方法です。旬の新鮮な果物が店頭に並べられる際には、目立つ広告が用意されます。夏には杏、桃、ブドウ、サクランボやスイカが、また冬には国内産の柑橘類が多くなります。一方、輸入果物に関しては、日本の消費者は旬にこだわらない、もしくはその果物に旬があるのかさえも気にしない傾向にあります。夏の間、特に7月~8月は国内産果物が潤沢に出回る事から、輸入果物にとっては苦戦を強いられる季節となります。この間に順調な販売が見込まれる輸入果物は、その時期国内産があまり出回らない品種、例えば柑橘類等です。

第二は食べ易さで、全ての年齢層に渡り大切な要因です。洗うだけで食べられる、もしくはナイフなしでも簡単に皮のむける果物、最も好まれるのがミカン、バナナ、その次にイチゴや国内産柑橘類、ブドウなど、いずれも食べる前に切る手間が不要な果物は、全ての年齢層に高い人気があります。その一方、事前に皮をむいたり、切る必要のあるもの-オレンジやグレープフルーツ、柿、キウイや桃-等の果物は敬遠され、購入額も低くなっています。

最後に知っておきたい大切な事は、年齢層によって消費量が多様であるという点です。果物の消費量が最も多いのが、若年層と高齢者層で、6歳未満の幼児では1人1日当り平均104グラム、60歳以上の高齢層では142グラムとなっています。これに対し、20代では1日61グラム(グレープフルーツ約1/2個分)で、一般的に「若者の果物離れ」と称されます。一方で、30代の摂取量は20代と大幅に変化はないものの、自身の子供や家族向けに、購入量は増加します。日本では果物は健康的で栄養価が高いとの言われており、家族の健康の為に果物を購入する人が多いのです。

日本進出を目指す果物の輸出業者は、旬、食べ易さ、そして消費者の年齢層が売上に大きな影響を与える事、そしてマーケティング戦略を立てる際に考慮すべきであるという事を心に留めておいた方が良さそうです。

写真: 旬の果物は売場の一番目立つ棚に並べられます。この店では色鮮やかなもみじのディスプレイと共に飾られ、秋の季節を強調しています。