August 19, 2013

ベトナムのファストフード:驚くべき速さでの展開

ベトナムでは国の伝統的なファストフードであるフォーからグリルチキン、バインミーサンドイッチまで通りで買えるおいしいスナックに終りはありません。 噂によるとこの高品質で低価格の伝統的なファストフードが根強いのは、西洋のファストフードチェーンがこの国に入ってくるのが遅かったというのが一つ理由だそうです。

2010年までKFCが主な西洋の参入者で、その他にほんの少しが市場を試し始めていました。 しかし 2010年からベトナムにファストフードのブームが起こり、ピザハット、ドミノピザ、ポパイズ、バーガーキング、カールス・ジュニア、サブウェイそしてコーヒービーン&ティーリーフなどの主要なチェーン店が市場に参入しました。同時にHighlands CaféやTrung Nguyen Coffee などの地元の強力なライバルはモダンなコーヒー文化を築き、ホーチミン市から始めてハノイや他の主要な都市へと広げていきました。

より安価な伝統的な屋台料理から競合を始めるというのがほとんどすべての西洋のチェーンがとっているマーケティングの姿勢の主な要素で、それらのほとんどは値段を上げる事を選びます。料金は高級志向の消費者をターゲットにします。ピザハットは豊富なメニュー、銀食器や給仕係(この戦略が中国で成功した)を提供し、人気のデートスポットとなりました。他のチェーンでは子供の要望に応え、若いミドルクラスのベトナム人家族にはファストフード店を訪れるのが午後の過ごし方の中心となるでしょう。Wi-Fiは無料で西洋のカフェでのコーヒーは屋台の料金の5倍です。それでもお店は繁盛しています。これはライフスタイルによるものです。これらの店で見かけられるという事が実際に料理を食べることと同じくらい重要なのです。

しかし“伝統的なファストフード”からの競争に加えて、ファストフードの成長を制限する他の2つの要因は不動産とインフラです。高級であると売り込みたいカフェやファストフードチェーンはホーチミン市のDistrict 1やDistrict 7のハイエンドのオフィスパークなどの高級な地域にお店を出さなければなりません。理想的には賑わっていて最先端のエリアの角地の不動産が必要です。この様な場所はすぐに売れてしまい、多くのチェーンはよく目立ち手頃な値段の不動産を探すのは難しいと感じています。

2番目の問題はインフラで、特にコールドチェーンと輸送です。バーガーキングのようなチーズを使うチェーンあるいは新鮮な鶏肉を使うポパイや冷凍の鶏肉を使うKFCなどは信頼できて近くにある倉庫、集中調理施設そして材料の調達先が必要です。今のところこのことで多くのチェーンが独自の集中調理施設と倉庫を建てているホーチミン市とハノイに限られてきています。

今や次から次にベトナムになだれ込んでくるファストフードとカフェの大企業のリストを見ていると2つの重要な名前がないのに気づきます。スターバックスとマクドナルドです。しかし待機は終わりました。スターバックスは2月にホーチミン市に巨大で注文と一緒にWi-Fiのパスワードを提供するフラッグショップをオープンさせました。ソーホーで見かけるような最新流行の天井の高い工業デザインです。2番目のお店は先週ちょうどオープンしました。

マクドナルドは2~3ヶ月のうちに開店し急速に展開する予定だと発表しました。ベトナムの消費者たちはこのブランドに非常に興味を持っていて話題をよんでいます。食品産業の多くはマクドナルドの参入は調達や事業形態からマーケティングやプロモーションの可能性までレストラン業界に重要な影響をもたらすと考えています。

実のところ、今月初めに行ったプロマーのベトナムのファストフード市場の現地での調査で、スターバックスとマクドナルドの参入はすでに影響が出ていると示しています。 おしゃれな地元のカフェHighlandはスターバックスとの違いを出し“モダンなベトナム料理”のアイデンティティを維持するためとして、サンドイッチのような西洋の食品のアイテムの多くをメニューから外しました。国際空港にあるフラッグショップからつい最近拡張し始めたばかりのバーガーキング も、マクドナルドの参入はすべてのバーガーチェーンにとって生き残るためにブランドを真に強化し違いを出すための試練となると認めました。

ベトナムでは6ヶ月ごとに新しいカフェやファストフードの景色が現れます。新しい参入者、失敗したお店、新しいマーケティング、憧れるようなデザインそしてゆっくりしたさらに地元に合わせたメニュー。今から6ヶ月後にはベトナムのカフェとファストフード産業が驚くべき速さでの展開の中でさらに先に歩を進めているのは間違いありません。

写真1:ポパイズは最近ホーチミンの新しく開発された地域のよく目立つ角地で市場に再び参入した。

写真2:スターバックスのフラッグショップは2013年2月にホーチミン市にオープンした。活気のある交差点の最上級の立地である。